これはきっとフィクション
夜の山道を車で走る。
工事を知らせる光がチカチカと光っては消え光っては消えと繰り返す。まるで電飾のようだ。街と違って暗いから工事の光がすごく目立つ。
車のライトはハイビーム。対向車が来ることに気がついたらロービームに切り替えて対向車がすぎればまだハイビームに戻す。
たまにカーブから対向車が突然出てきてライトを切り替えるのが遅くなると申し訳なくなる。
山道の間に少しだけ小さな集落がある。そこは街灯だけあって街よりは暗いけど山の中よりは明るい。車のライトをハイビームのままにしておくかロービームにするか迷う。するタイミングもよく分からない。
山道でも、ガードレールがあると反射鏡で道がわかりやすい。等間隔に並んだ反射鏡は車のライトに照らされて光を放つ。まるで道を誘導してるかのようだ。
山道を走り続けてると今、自分がどの辺を走っているのかよく分からなくなる。それでも一本道だから迷うことなく走り続ける。走り続けたら見覚えのある看板が目に入る。あぁ、もうここまで来たんだ。そんな気持ちになる。
大通りに入る前にライトをロービームに切り替える。そして大通りへと車を走らせる。大通りは明るい。さっきまでの山道とは対照的だ。そうして車は街並みに姿を紛れ込ませ消えていく。
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特に意味もなく文字を綴りたいから綴った。それだけの記事。おしまい。